突然ですが、あなたは「クレーマー」ですか?
きっとほとんどの方が「違う」と言うでしょう。
それでも、過去に購入した商品やサービスを受けてクレームをつけたり、クレームをつけようと思ったりすることはあったのではないでしょうか。
クレーマーは特別な存在ではなくなってきました。
これは、クレーマーが一般化したことを示しています。
そして現在、クレーマーさらに進化しています。クレームの度合いは悪質化し、彼らの要求の度合いは「テロリズム」ともいえる脅威に達しているのです。
さらにインターネットも発達し、ツイッターやミクシィなどのソーシャルネットと呼ばれる情報コミュニケーション網も発達しました。
これによって、これまで一対一の関係だったクレームの構図は大きく変化しました。クレーマーがメディアやインターネット、ソーシャルネットワークを通じて、情報武装と理論武装を開始したのです。
ここまで見てきた通り、クレーマーはどんどん一般化し、凶暴化し、大きな問題になっています。
実際に現場でコンサルティングをしている立場からしても、あまりも企業の危機管理対策は脆弱すぎるからです。
だからこそ、本書を書くことにしました。
これまでのクレーム対応の方法では、解決するのが難しくなっています。
現在のクレーマーの要求には、テロリストや犯罪者に数多い類似点があります。
だからこそ著者が外資系証券会社、大手企業、警察、病院等に指導する
「テロリスト化するクレーマー用の対処術」が必要なのです。
著者はこれまで海外において、テロリストや人質犯向けの人質交渉術、容疑者の尋問術、人物像のプロファイリングなどを警察に指導してきました。
また、国内でもそうした支援業務をしています。
企業、学校に対しては、クレーマー、モンスターペアレント対策などの対人リスクマネジメントに関するコンサルティングをしています。
本書では、テロリスト化したクレーマー対応として、さまざまなノウハウを紹介しています。それらはFBI、米国警察などで採用されている「脅威査定」「プロファイリング」と呼ばれるものです。
つまり、相手の危険度を判定し、その危険性にあわせて交渉説得しながら、言動パターンから心理状態を見抜いていく手法といえます。
世界でも最強のクレーマー達と戦った著者のクレーマー対処術を初公開!
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毛利元貞(もうり もとさだ)
言語行動研究所代表。
19歳より世界を渡り歩き、紛争地帯での戦闘経験を活かして、警察特殊部隊の訓練指導やノーベル平和賞受賞者の身辺警護対策などに協力。その多くは過去の経験から「テロリストや犯罪者の心理」を助言するものである。
以後、米国において、犯罪者の危険度を評価する「脅威査定」や、犯人像を組み立てるプロファイリング(犯罪行動分析)を、FBIやCIAなどを顧客にもつ専門機関で修学し、帰国。
現在は警察心理学、行動科学、プロファイリングを応用し、日本の高コンテクスト文化にあわせた安全理論と実践「脅威査定」を確立。
警察にも招かれ、言語行動についての講演やコンサルティングを務め、感謝状も授与されている。
一般業務では本書で紹介している対人リスクマネジメント全般を担当。
言語行動研究所が提供している「安全と安心を確保する知恵」は幅広い。
ビジネス分野では、採用面接、クレーム対応、問題社員への対応、問題発生時のマスコミ対応などを担う。
また、異文化コミュニケーションという視点から、暴力的言動を解決する方法も提言。
現在はコンサルティングだけでなく、講演やセミナーなど、クライアントのニーズに合わせて活動している。
日本カウンセリング学会、日本コミュニティ心理学会、警察政策学会会員。
著書に『護身力検定』(BABジャパン)、『脅威査定 暴力犯罪相談の現場から』(立花書房)などがある。